高度コンサルタント研修の第一回の成果報告がまとまりました。
修学期の異なる3名の修了生がチームとなって成果を出してくれました。
本レポートでは、研修の概要と参加者の感想を中心にご報告いたします。
研修スケジュール
研修体制
■研修指導/評価者
・髙島 利尚(中小企業診断士)
■研修受講者
・上原 謙人(16期生)
・池田 尚人(17期生)
・長澤 太(18期生)
■事務局/研究指導支援
・小田 恭市
(中小企業イノベーションセンター長)
■受診企業の概要
社名 有限会社 湘南技研
本社・工場 〒253-0111
神奈川県高座郡寒川町一之宮4丁目22-23
創立 1979年9月1日
資本金 10,000,000円
役員 代表取締役 池田 博之
受賞歴 平成29年度神奈川県優良小規模企業者表彰
主要製品 各種真空装置設計・製造、各種真空用部品設計・製造、真空用チャンバー真空用フランジ、真空用マニピュレーター、理化学関係研究・実験機器設備類、粒子加速器、核融合、原子力周辺機器設計・製造など
研修を受け入れて頂いた企業(経営者)からのコメント
中小企業診断士の皆さまへ
この度は弊社の経営、業務に関わる診断・助言頂き、誠にありがとうございました。
大変ためになるご指摘でありました。
かなりの時間の分析、熟考であったと察し致します。
最初に弊社まだまだ、発展途上であり、今後本気で取り組んでいかなければと強く感じました。
具体的には、現状を把握して5年後のありたい姿から、健全な投資計画を策定と題し、今後の売上目標ならびに、経常利益額を示して頂き、また、資金繰りのアドバイス更には、設備、特に新設工場の着手時期まで具体的にご指摘頂き大変参考になりました。
工場の運営においては、生産性の向上をさせるために、工程管理、品質管理が重要な課題であること、その対応策がいろいろあること認識させて頂き、生産計画の充実、設備稼働率の向上、具体的な手法で指針を示して頂き、新たな目標が出来ました。例としてはQC工程表の作成、活用を目指します。
経営、工場の生産管理充実とともに、売上増加を目指し、既存顧客の分析、新規顧客の探し方、特に主要規顧客となり得るターゲット顧客との接点を増やすなどの戦略を教えて頂きました。
今回、私の苦手な課題関連図、実施計画、5か年事業計画を最後に示して頂き、これを参考に今後の経営に精進してまいります。ありがとうございました。
令和6年3月9日
有限会社 湘南技研
代表取締役 池田 博之
受講者の声(Aさん:原文掲載)
■研修事業は如何でしたか?
・一言で表すと『参加して良かった』です。
■なぜですか?
・『研修先の社長へ、提案内容が伝わった』ことと、 『今後も自 身の仕事や診断業務に活かせる考え方を習得できた』ことが大きな理由です。これらは、理論的な積み重ねをして提案を考える大切さを、高島先生から教えて頂いたためだと考えます。
■応募したきっかけは?
・私は企業内診断士でして、『診断ポイント』を稼ぐ機会に恵まれていません。本研修事業を通して、安価な費用で10ptを頂くことは大きな魅力でした。加えて、一緒に組むメンバーが誰であろうと、日工大を卒業したという背景は同じですからきっと上手くいくと直感していました。
・応募する前や始まったときに不安な点はありましたか?
・卒業してしばらく診断からは離れており、感覚が鈍っていることが不安でした。また、仕事と両立できるか悩みました。しかしいざ始まってみると、3名の分担がスムーズに行き、時間を上手に使いながら進めることができました。現役時に5回も実習を経た経験が生きたのかもしれません。
■2万円は安い?
・はい。ポイントを稼ぐ以上の意味がありました。
・日工大の実習と比較し、より少ない人数で、高島先生から直接指導頂いたため、密度の濃い1か月半でした。
・高島先生と小田先生の考えるプロセスの違いも拝見でき、理論の下地がしっかりした方々は、説得力が格別であると驚きました。
・また、今回研修に臨んだ3名は卒業年度が違います。現役時に教わった先生も違うため、互いに学びあうことができました。
■次回参加する方に一言
・『知識や考え方を学び、研鑽したのちに提案がある』と考えて臨むと、実りある研修になるはずです。期が違う方々とチームを組む面白さもあるので、おススメします。
受講者の声(Bさん:原文掲載)
■日工大卒業後、診断士らしい活動が出来ていなかったため参加前は「自分の能力でついていけるだろうか?」「どんな先生なのか?」「どんなメンバーなのか?」など多くの不安があり参加を悩みました。
■実際は、あっという間の2ヶ月で率直な感想は「参加して良かった」の一言に尽きます。
【良かったこと】
①先生について
・担当していただいた髙島先生が経験豊富で憧れていた「診断士像」に近かった。
・実践で必要となる多くの事を学べた。(:診断士とはどうあるべきか:診断先から納得していただける提案とは:診断先との信頼関係の築き方など)
②メンバーについて
・他業界の多方面な考え方や自分に不足する部分を改めて認識できた。(:診断先の見方:質問の仕方:資料の作り方:提案の手法など)
③日程などについて
・診断先訪問1日、大学での対面は土曜日、祝日日であり負担が少なく助かった。
・Webでの打ち合わせ日程はチームに任されていたので調整がスムーズに進んだ。
【自身の反省】
①全体作業について
・最終発表会までのスケジュール感が甘かった。
・最終資料の点検がおろそかになった。
・資料のまとめ方、見やすさの工夫が足りない。
②その他
・経験の場が少ない自分にとつては全てが貴重な経験となりました。
・勤務を続けながら中小企業診断士の診断能力を維持、強化していく場としてはとても良い研修であると思います。今後も機会があれば参加したいと思っています。
受講者の声(Cさん:原文掲載)
■小田先生、高島先生のコンサルスキルを学ばせていただけた貴重な機会。
■NIT卒業生の背景が異なる職種で編成するチーム(金融系、開発系、営業技術系)での討議は大変有意義で楽しかった。それぞれの提案内容においても自社に生かしたい気づきを多々得られた。
■養成時代は教わるばかりだったが、今回は資格ホルダーとしてロジックをしっかり構築した上で指導員の先生からアドバイス助言を得られたことはより内容を高めることができ大変勉強になった。
■最終報告は社長に自信をもって提言できた。社長および指導員の先生方からもご評価をいただけたことはとても自信につながった。指導員先生方もとてもやさしく親身にアドバイスいただき、大変感謝しています。
■企業内診断士だが、このように日本の技術の基盤を支える中小製造業に貢献できることをうれしく思った。中小製造業に携われる機会があればまたぜひ応募したい。
■この研修成果を自身の仕事にも生かしてまいります。
評価員(高島利尚先生)からのコメント
受講された皆様へ
■約2ケ月にわたる研修、お疲れ様でした。
■今回受講いただいた3名の皆様は、修了年度、現在の仕事内 容・業種等も異なる方たちでした。しかし、互いに意見交換しながら、実習先の状況に合わせての提言したい事項、それぞれ自分たちが体験したいテーマの選定などを円滑に決め、協調しあい、実習先企業の経営者に喜ばれる提言をまとめられたことは見事でした。同窓の強みですね。
■提言事項の整理、まとめていく過程で、特に留意したことは、「実習先企業にて実践できる具体的な提言を」でした。一般論でのべき論だけでは、経営者の腹落ちまでには至りません。とはいえ、限られた時間の中で、必要情報を要領よく収集するのは、そう簡単なことではありません。しかしながら、実際の診断活動においては、常に限られた制約の中で、依頼してきた経営者に一定の満足を得られる提言をしなければ、継続的な支援にはつながりません。
■今回の研修でも、この点には力を入れ、受講された皆様が、自分の言葉で提言されたことが、実習先企業の経営者に響いたのではと思います。
■引き続き、折をみて互いに研鑽し続けられる場を持てることを期待してます。
令和6年3月9日
評価員 髙島 利尚
ご参加の皆さま、お疲れ様でした!